たそがれ壺記

古典の森に棲み暮らし、奇談・怪談を語る偏人のブログです。

【座敷浪人の壺蔵】更新について

[あやしい古典文学の壺]に5編追加しました。

3/11「狐火」:狐火と言われるものにはいろいろあるんですが、ここでは、狐の吐息が光る、狐の所持する玉が光る、といった類の火だと思われます。
「狐つかい」:狐をつかう術なんて、敬遠したほうがいいかも。その術を学んだ人が狐を呼び出したものの、狐どもはまるでいうことを聞かず、その人は狐に嘲弄され、暴力まで振るわれて、ついに自殺に追い込まれたという話もあります。

3/21「近仏国」:よくわからんのですが、ボルネオ島あたりだという説があるらしい。とすると、下の三仏斉国の近辺です。
「三仏斉国」:この国については、Wikipediaの記事をはじめとして、ネット検索で多数出てきます。

4/01「鈍刀の奇瑞」:今までずっと更新は2編ずつだったのですが、今回はずいぶん長いので、1編だけの追加にしました。長い話が苦手な方には、申し訳ありませぬ。

ハルさま:
>狐つかい:芥川龍之介の「魔術」を思い出しました。
芥川の「魔術」は記憶になかったので、読んでみました。おっしゃるとおりですね。
>近仏国:「仏に近い国」で「仏教の盛んな国」かと思ったらとんでもない。
三仏斉国の近くだから「近仏国」と呼んだだけかもしれません。

新刊と更新について

5冊目のkindle版電子ブック『怪の壺 妖物どよどよ草』を発刊しました。
詳しくは こちら をご覧ください。
〔あやしい古典文学の壺〕に6編追加しました。
2/01「光るもののこと」:なんでか知らないけど、言われてみればみんな光りそうだ。光る蜘蛛なんて、きっといるような気がする。
「訝しいこと」:馬の卵のところで出てくる「鮓答」は腸結石であって、広く解毒剤などとして用いられてきたそうです。ポルトガル語では「ヘイサラバサラ」という呪文じみた呼称です。
2/11「最勝寺山の猫又」:化け物というより、正体のさだかでない猛獣です。
「狐の子、人の子」:報復合戦は無益でも、心情的に不可避な場合があります。蔵奉行が故意に情報を漏らしたことで、最悪の事態は避けられたといえるでしょう。
2/21「老過国」:こういうのは、今の世の中の一面でもあるような…。
「奇肱国」:これはいいなあ。物語を想像させるし、映像的にも鮮やかだ。
 
ハルさま:
>狐の子、人の子:これは狐の言い分も分かる気がします。
「狐の子も人の子も、かわいいのは同じことだ」…不本意ながら棲みかを立ち退くことになった狐の心情ですが、いろんな受け取り方ができますね。

【座敷浪人の壺蔵】更新について

〔あやしい古典文学の壺〕に4編追加しました。

01/11「無腸人」:別なところに「無腹人」というのもおります。こちらは無腸人のような再生力はなさそうで、ただ、「無腹人はきわめて背が高く、腹中に腸がないので、食べた物はそのままただちに排泄される」のだそうです。
「羽民の国」:羽毛に覆われた体で断崖に住んで卵を産む……ほとんど鳥ですね。あまり遠くまで飛べないという控えめさがかわいい。

01/21「蝦夷鼠」:今日「エゾなんたらネズミ」と呼ばれるげっ歯類には、該当するものがなさそうです。この獣はいったい何だったのか。油揚げの豆腐ばかり毎日食べて、大丈夫なのか。
筑前の妖物」:こいつは相当のシロモノですね。淫魔のごとく女に姦淫するいっぽうで、凶暴な獣として猛犬相手に本気の喧嘩もする、今までにない妖物だ。

ハルさま:
>羽民の国 ・無腸人:…何かあったから書かれたわけで、全くの幻想とも思えない。
何からこんな話になったのかな、と考えるのが面白いです。考えて何に思い当たるのでなくても、考えること自体が面白い。

まねき屋さま:
変わらずご来訪いただき、ありがとうございます。
シロフクロウハリーポッターが飼っているフクロウですね。雪原にポツンと立っている写真なんか見ると、もの思わし気な子供みたいに見えます。いざ飛翔すると、さすがに大型猛禽類ですが…。

2024年挨拶と更新について

 

1/02〔あやしい古典文学の壺〕に2編追加しました。
「岩上の人面」:顔の大きな女の妖怪は、山中にとどまらず、町中でもよく出てきます。顔の大きな男の妖怪というのは知りません。けっこう怖そうですが…。
「猪に乗って去る」:話が進むにつれて、ただの雑役僧ではないことが知れてくる不思議さが、いいと思います。

ハルさま:
>雪童:集団で臆病者をからかいに来たとしか思えない所業。
集団という見方はなかった。単体の雪童が大暴れしたとばかり…。集団のほうが格段に面白いですね。ついでに言うと、雪女なんかも大集団で出てきたら面白い。

【座敷浪人の壺蔵】更新について

〔あやしい古典文学の壺〕に8編追加しました。

11/21「機転の泥棒」:うまく気絶してくれたからよかったけど…。
「惣助失踪」:天狗の手下にされた人が惣助みたいな行動をとる話を、いくつか知っています。
12/01「赤蜘蛛」:寺側の攻勢が徹底的ですごい。
「蜘蛛が来る病」:老女に押さえ込まれるくらいだから、蜘蛛の腕力はたいしたことない。最初は美女の姿で来て息子の血を吸い、弱ったところで蜘蛛の正体を現したのかも。
12/11「怨みの蛇」:後妻を追い払っただけで、取り殺したりしなかったあたり、余裕も感じられます。
「蛇気」:こちらの蛇は、やりすぎ。
12/21「白餅の怪」:正月が近いんで、餅が並ぶ話を…。
「雪童」:雪の精というと、代表が「雪女」や「雪女郎」で、子供サイズで可愛い感じの「雪ん子」なども思い浮かびます。一本足で跳び歩く「雪婆」、その子供型の「雪ん坊」なんてのもいて、「雪童」は「雪ん坊」の類型かと思われます。なんにせよ雪の精のくせに騒々しい。

ハルさま:
今年もまた1年おつきあいいただき、ありがとうございます。よいお年をお迎えください。