たそがれ壺記

古典の森に棲み暮らし、奇談・怪談を語る偏人のブログです。

2021-01-01から1年間の記事一覧

【あやしい古典文学の壺】03/21更新について

次の二編を追加しました。 「鬼殿の怪」:いわゆる「地縛霊」というやつです。現在「鬼殿」という地名はありませんが、三条通と東洞院通の交差点の北東、中京郵便局付近とのこと。 「寄生虫男」:新任の信濃守が何か不都合なことをしでかしたわけでもないの…

【あやしい古典文学の壺】03/11更新について

次の二編を追加しました。 「焼き場の鬼」:火葬の火で焼いた餅を食べれば病が治る…、あやしい古典の世界ではよく聞くような説ですが、治る病はそんなことしなくても治るし、重い病はその程度では治るまいと思われます。しかし、芋の葉の面をかぶった病人に…

女妖百物語

Amazon Kindle本として、電子ブック『怪の壺 女妖百物語』を出版しました。 女性にまつわる妖談百話を載せたもので、【あやしい古典文学の壺】からの編集ですが、書籍の体裁となり、文章にも手を入れたので、読みやすくなっていると思います。定価250円。Kin…

【あやしい古典文学の壺】03/01日付の更新について

「袴幽霊」:手討ちにあったときの服装だからと袴姿で暢気に徘徊し、按摩を頼めば気軽に引き受ける。一見憎めないやつです。しかし、舟を沈めて罪のない人々を道連れにしたあたり、やはり怨霊ですね。 「手柄話」:勝鬼坊は、じつに久しぶりの登場。あやしい…

【あやしい古典文学の壺】02/21日付の更新について

次の二編を追加しました。 「鼠が怖い」:日本に初めて象が渡来したのは、本文にあるように応永15年(1408)で、若狭の小浜に漂着した船に積まれていたとされます。室町時代、足利四代将軍義持のときです。その後象は、信長のころや秀吉のころにも来たらしく…

【あやしい古典文学の壺】02/11日付の更新について

次の二編を追加しました。 「雷鳥・岩鳥」:「岩鳥」について本文には「これは『農鳥岳』の農鳥と同様の説だろうか」とありますが、そうではありません。「農鳥」は山腹にあらわれる雪形なのに対して、「岩鳥」は雷鳥の別名ともいわれ、おそらく実際の鳥です…

【あやしい古典文学の壺】02/01日付の更新について

次の二編を追加しました。 「美濃山中の仙女」:中国の仙人・仙女というのは、不老不死であるうえに通力を有し、天界と往来できるといったことが必要ですが、日本のそれは、単に山の中で長生きしていればいいような趣があります。まあでも、考えてみれば、長…

【あやしい古典文学の壺】01/21日付の更新について

次の二編を追加しました。 「盗賊 vs.女四人」:女が四人がかりでワーワーキャーキャー抵抗するんで、盗賊も持て余したんでしょう。下女の報賞金だけ少ないのは納得できません。 「寒い夜」:血なまぐさくて嫌われるのは、まあ仕方ないです。お気の毒さまと…

【あやしい古典文学の壺】01/11日付の更新について

以下の二編を追加しました。 「房総の狐」:狐に送ってもらって有り難いかどうか、微妙なところ。まあ憎めない話ではあります。 「十万坪の狐」:「十万坪」は1723年から埋め立てが行われた土地ですが、1791年に台風による高潮で深川洲崎十万坪一帯に大被害…

【あやしい古典文学の壺】01/01日付の更新について

以下の二編を追加しました。 「屋根裏の卵」「よその門松」:縁起担ぎに意味はありませんが、縁起がよさそうなどと言って得体の知れない卵を食べてしまうような人がいないと、「あやしい古典文学」も成り立ちません。縁起が悪いとか非常識だとか、目くじらを…