たそがれ壺記

古典の森に棲み暮らし、奇談・怪談を語る偏人のブログです。

【あやしい古典文学】09/01更新について

次の二編を追加しました。 「果し合い」:こそこそ草履に足を延ばした隙に打ち込めなかったのか…。まあ意外な行動に虚を突かれて、チャンスを逃したのかも。 「竹内狂人」:強い。こういう場合、とにかく強ければいい。剣豪なんて、こんな人が案外多いのでは…

【あやしい古典文学】08/22更新について

次の二編を追加しました。 「山寺の夜」:妖怪じゃなくて、先に便所に入っていた人かもしれない。あんがい親切な人だったのでは…。 「妖怪の湯治」:便所の妖怪はいろいろです。中から戸を閉ざしいて開けられなくするなんてのは、迷惑だけど怖くはありません…

【あやしい古典文学】08/11更新について

次の二編を追加しました。 「幽霊の帰還」:四谷の墓地で心中したのが叔父たちでなければ、いったい何者だったのか。そのことを登場人物の誰も問題にしていないのが不思議です。 「俳諧師の終焉」:三我が十四日に棺桶屋に現れたとき、同道していた出家はい…

紙の本

この春に『女妖百物語』『妖異童話集』を電子ブックとして出しましたが、古い人間の私は、どうも物足りない気がして、ペーパーバック版を新たに刊行しました。電子ブックと一緒にAmazonで売っています。内容は電子ブックと同じで、値段は8倍ほどしますから…

【あやしい古典文学の壺】08/01更新について

次の二編を追加しました。 「龍に巻かれる」:オズの魔法使いの例を出すまでもなく、人や車、家などが竜巻に巻き上げられた逸話は幾らでもあります。この話のように行列中の侍と馬だけというピンポイントを突いた被災が実際にありうるのか分かりませんが、そ…

【あやしい古典文学の壺】07/21更新について

次の二編を追加しました。 「毛と煙」:富士山の宝永大噴火後に毛が降ったという記録は多く残されており、さまざまに考察されています。でも、あやしい古典文学としては、「おお、毛が降ったか。さぞ見ものだったろう」「黒煙が出たか、けむかったろうな」な…

【あやしい古典文学の壺】07/11更新について

次の二編を追加しました。 「貧乏神の祠」:貧乏神の像というと、ねずみ男に似たのをよく見かけますね。あれだったら何となく親近感がわいて、盗みたくなるかもしれない。しかしまあ、神体まで無くなるとは、貧乏の極みではあります。 「通う神」:道祖神は…

【あやしい古典文学の壺】07/01更新について

次の二編を追加しました。 「怪兎」:後足4本・前足2本、ケンタウルスのような体躯を想像しました。しかも両性具有、うかつに手を出すべきでないように思うが。 「異火」:蛍火のごとく集い、星空のごとく散り輝く火群。こんな火に包まれたら夢幻のうちに…

【あやしい古典文学の壺】06/21更新について

次の二編を追加しました。 「川の呼び声」:私が川漁をすることは今後ともないでしょうが、もしやるなら、時として川の怪異と直面するような漁をすべきだと思います。たとえば「キャッチ&リリース」とか、なんかしっくりきません。 「布団の中から大きな手…

【あやしい古典文学の壺】06/11更新について

次の二編を追加しました。 「死人を喰らう」:墓所で捨てられた死体の肉を切って食う場面を想像すると、いかにも鬼の所業みたいですが、古来、中国では(日本でも)漢方の生薬として、人体のさまざまな部位が用いられてきました。現代の移植医療なども、突き…

【あやしい古典文学の壺】06/01更新について

次の二編を追加しました。 「偽りの功名」:気絶した下僕の下敷きになって圧死とは、蜘蛛が弱すぎる。そんなやつが通りかかる者を片っ端から喰っていたとは、到底思えない。 「半蛇の内介」:「内介が淵」というのは、河内国の北部にかつて実在した淵だそう…

妖異童話集

Amazon Kindle本として、電子ブック『怪の壺 妖異童話集』を出版しました。 3月に出版した『怪の壺 女妖百物語』と同じく、【あやしい古典文学の壺】から選びました。書籍化するにあたり、あらためて推敲して、読みやすくしたつもりです。Kindle本が読める…

【あやしい古典文学の壺】05/20更新について

次の二編を追加しました。 「海蛇」:この件で調べて、ウミヘビには、爬虫類のウミヘビ(海中環境に適応した蛇)と、魚類のウミヘビ(鰻やアナゴの仲間)があることを初めて知りました。ウミヘビはすべて魚だと、ずっと思い込んでいました。で、この話のウミ…

【あやしい古典文学の壺】05/11更新について

次の二編を追加しました。 「武勇の人」:川村氏が振り回した魚「タツ」。今の秋田地方で「ダツ」というのがそれではないかと思われます。つまり太刀魚ですから、夜闇で見れば刀に見えるのは納得できますが、盗賊が怯まず向かってきたらどうするのでしょうか…

【あやしい古典文学の壺】05/01更新について

次の二編を追加しました。 「試し物」:往来で通行人を突然斬るのではないやり口で、サイコキラーの気持ち悪さが色濃い悪人なのに、怨念に憑かれるやあっけなく狂死したのは拍子抜けです。 「指が痒い」:痒い指を擦って手が杓子みたいになったというあたり…

【あやしい古典文学の壺】04/21更新について

次の二編を追加しました。 「小奥」:江戸時代の公家の貧乏組は、どれくらいの俸禄だったのか。調べてみると「家禄三十俵三人扶持」なんてのがあり、堂上公家で一番少ないのがこのあたりじゃないかと思います。体裁のいい副収入があればいいんでしょうがね。…

【あやしい古典文学の壺】04/11更新について

次の二編を追加しました。 「油瓶の怪」:恨みを晴らしに行くなら、なにも油瓶なんかに化けてひょこひょこ行かなくても、普通に飛ぶなり歩くなりすればよさそうなものだけど、それでは物の怪として物足りないのか…。 「阿衡の紛議」:これが平安政治史におけ…

【あやしい古典文学の壺】04/01更新について

次の二編を追加しました。 「いさぎ」:秩父あたりの憑物を調べたら、「秩父の三害」と呼ばれたらしい「ネブッチョウ・ナマダゴ・オサキ」という憑物の家筋が出てきました。「いさぎ」は、そのうちの「オサキ(=オサキ狐)」のことではないかと思われます。…

【あやしい古典文学の壺】03/21更新について

次の二編を追加しました。 「鬼殿の怪」:いわゆる「地縛霊」というやつです。現在「鬼殿」という地名はありませんが、三条通と東洞院通の交差点の北東、中京郵便局付近とのこと。 「寄生虫男」:新任の信濃守が何か不都合なことをしでかしたわけでもないの…

【あやしい古典文学の壺】03/11更新について

次の二編を追加しました。 「焼き場の鬼」:火葬の火で焼いた餅を食べれば病が治る…、あやしい古典の世界ではよく聞くような説ですが、治る病はそんなことしなくても治るし、重い病はその程度では治るまいと思われます。しかし、芋の葉の面をかぶった病人に…

女妖百物語

Amazon Kindle本として、電子ブック『怪の壺 女妖百物語』を出版しました。 女性にまつわる妖談百話を載せたもので、【あやしい古典文学の壺】からの編集ですが、書籍の体裁となり、文章にも手を入れたので、読みやすくなっていると思います。定価250円。Kin…

【あやしい古典文学の壺】03/01日付の更新について

「袴幽霊」:手討ちにあったときの服装だからと袴姿で暢気に徘徊し、按摩を頼めば気軽に引き受ける。一見憎めないやつです。しかし、舟を沈めて罪のない人々を道連れにしたあたり、やはり怨霊ですね。 「手柄話」:勝鬼坊は、じつに久しぶりの登場。あやしい…

【あやしい古典文学の壺】02/21日付の更新について

次の二編を追加しました。 「鼠が怖い」:日本に初めて象が渡来したのは、本文にあるように応永15年(1408)で、若狭の小浜に漂着した船に積まれていたとされます。室町時代、足利四代将軍義持のときです。その後象は、信長のころや秀吉のころにも来たらしく…

【あやしい古典文学の壺】02/11日付の更新について

次の二編を追加しました。 「雷鳥・岩鳥」:「岩鳥」について本文には「これは『農鳥岳』の農鳥と同様の説だろうか」とありますが、そうではありません。「農鳥」は山腹にあらわれる雪形なのに対して、「岩鳥」は雷鳥の別名ともいわれ、おそらく実際の鳥です…

【あやしい古典文学の壺】02/01日付の更新について

次の二編を追加しました。 「美濃山中の仙女」:中国の仙人・仙女というのは、不老不死であるうえに通力を有し、天界と往来できるといったことが必要ですが、日本のそれは、単に山の中で長生きしていればいいような趣があります。まあでも、考えてみれば、長…

【あやしい古典文学の壺】01/21日付の更新について

次の二編を追加しました。 「盗賊 vs.女四人」:女が四人がかりでワーワーキャーキャー抵抗するんで、盗賊も持て余したんでしょう。下女の報賞金だけ少ないのは納得できません。 「寒い夜」:血なまぐさくて嫌われるのは、まあ仕方ないです。お気の毒さまと…

【あやしい古典文学の壺】01/11日付の更新について

以下の二編を追加しました。 「房総の狐」:狐に送ってもらって有り難いかどうか、微妙なところ。まあ憎めない話ではあります。 「十万坪の狐」:「十万坪」は1723年から埋め立てが行われた土地ですが、1791年に台風による高潮で深川洲崎十万坪一帯に大被害…

【あやしい古典文学の壺】01/01日付の更新について

以下の二編を追加しました。 「屋根裏の卵」「よその門松」:縁起担ぎに意味はありませんが、縁起がよさそうなどと言って得体の知れない卵を食べてしまうような人がいないと、「あやしい古典文学」も成り立ちません。縁起が悪いとか非常識だとか、目くじらを…

2021年

【あやしい古典文学の壺】12/21日付の更新について

以下の2編を追加しました。 「火ともし鳥」:山鳥は夜分、火をともして山林を飛ぶとされます。この火ともし鳥も同類と思われます。火が徐々に大きくなったのは、監禁のストレスによるものでしょう。逃げ出せてよかった。なお、火災に飛び込んで燃えさしを咥…