以下の二編を追加しました。
「蝦蟇に憑かれる」:蟇蛙は日本でも中国でも、あの独特の存在感から、蛙の妖を一手に引き受けています。ウシガエルなんてのも大きくて鳴き声に間抜けた凄味があり、十分に妖気を放ちそうですが、大正時代に輸入された外来種なので、あやしい古典で語られることはありません。
「蝦蟇の管領」:応仁の乱の東軍の総帥 細川勝元はおそらく蝦蟇だった、というお話。修験道に凝って奇人として知られる息子の細川政元と混同しているのではないかとも思われます。しかしまあ、それはどうでもいいこと。西軍の大将 山名宗全が死ぬと、あとを追うように勝元も急死したとされますが、乱で焼け荒れた龍安寺の池の底に、蝦蟇の姿で沈み去ったのかもしれません。