たそがれ壺記

古典の森に棲み暮らし、奇談・怪談を語る偏人のブログです。

新刊と更新について

5冊目のkindle版電子ブック『怪の壺 妖物どよどよ草』を発刊しました。
詳しくは こちら をご覧ください。
〔あやしい古典文学の壺〕に6編追加しました。
2/01「光るもののこと」:なんでか知らないけど、言われてみればみんな光りそうだ。光る蜘蛛なんて、きっといるような気がする。
「訝しいこと」:馬の卵のところで出てくる「鮓答」は腸結石であって、広く解毒剤などとして用いられてきたそうです。ポルトガル語では「ヘイサラバサラ」という呪文じみた呼称です。
2/11「最勝寺山の猫又」:化け物というより、正体のさだかでない猛獣です。
「狐の子、人の子」:報復合戦は無益でも、心情的に不可避な場合があります。蔵奉行が故意に情報を漏らしたことで、最悪の事態は避けられたといえるでしょう。
2/21「老過国」:こういうのは、今の世の中の一面でもあるような…。
「奇肱国」:これはいいなあ。物語を想像させるし、映像的にも鮮やかだ。
 
ハルさま:
>狐の子、人の子:これは狐の言い分も分かる気がします。
「狐の子も人の子も、かわいいのは同じことだ」…不本意ながら棲みかを立ち退くことになった狐の心情ですが、いろんな受け取り方ができますね。

【座敷浪人の壺蔵】更新について

〔あやしい古典文学の壺〕に4編追加しました。

01/11「無腸人」:別なところに「無腹人」というのもおります。こちらは無腸人のような再生力はなさそうで、ただ、「無腹人はきわめて背が高く、腹中に腸がないので、食べた物はそのままただちに排泄される」のだそうです。
「羽民の国」:羽毛に覆われた体で断崖に住んで卵を産む……ほとんど鳥ですね。あまり遠くまで飛べないという控えめさがかわいい。

01/21「蝦夷鼠」:今日「エゾなんたらネズミ」と呼ばれるげっ歯類には、該当するものがなさそうです。この獣はいったい何だったのか。油揚げの豆腐ばかり毎日食べて、大丈夫なのか。
筑前の妖物」:こいつは相当のシロモノですね。淫魔のごとく女に姦淫するいっぽうで、凶暴な獣として猛犬相手に本気の喧嘩もする、今までにない妖物だ。

ハルさま:
>羽民の国 ・無腸人:…何かあったから書かれたわけで、全くの幻想とも思えない。
何からこんな話になったのかな、と考えるのが面白いです。考えて何に思い当たるのでなくても、考えること自体が面白い。

まねき屋さま:
変わらずご来訪いただき、ありがとうございます。
シロフクロウハリーポッターが飼っているフクロウですね。雪原にポツンと立っている写真なんか見ると、もの思わし気な子供みたいに見えます。いざ飛翔すると、さすがに大型猛禽類ですが…。

2024年挨拶と更新について

 

1/02〔あやしい古典文学の壺〕に2編追加しました。
「岩上の人面」:顔の大きな女の妖怪は、山中にとどまらず、町中でもよく出てきます。顔の大きな男の妖怪というのは知りません。けっこう怖そうですが…。
「猪に乗って去る」:話が進むにつれて、ただの雑役僧ではないことが知れてくる不思議さが、いいと思います。

ハルさま:
>雪童:集団で臆病者をからかいに来たとしか思えない所業。
集団という見方はなかった。単体の雪童が大暴れしたとばかり…。集団のほうが格段に面白いですね。ついでに言うと、雪女なんかも大集団で出てきたら面白い。

【座敷浪人の壺蔵】更新について

〔あやしい古典文学の壺〕に8編追加しました。

11/21「機転の泥棒」:うまく気絶してくれたからよかったけど…。
「惣助失踪」:天狗の手下にされた人が惣助みたいな行動をとる話を、いくつか知っています。
12/01「赤蜘蛛」:寺側の攻勢が徹底的ですごい。
「蜘蛛が来る病」:老女に押さえ込まれるくらいだから、蜘蛛の腕力はたいしたことない。最初は美女の姿で来て息子の血を吸い、弱ったところで蜘蛛の正体を現したのかも。
12/11「怨みの蛇」:後妻を追い払っただけで、取り殺したりしなかったあたり、余裕も感じられます。
「蛇気」:こちらの蛇は、やりすぎ。
12/21「白餅の怪」:正月が近いんで、餅が並ぶ話を…。
「雪童」:雪の精というと、代表が「雪女」や「雪女郎」で、子供サイズで可愛い感じの「雪ん子」なども思い浮かびます。一本足で跳び歩く「雪婆」、その子供型の「雪ん坊」なんてのもいて、「雪童」は「雪ん坊」の類型かと思われます。なんにせよ雪の精のくせに騒々しい。

ハルさま:
今年もまた1年おつきあいいただき、ありがとうございます。よいお年をお迎えください。

【座敷浪人の壺蔵】更新について

〔あやしい古典文学の壺〕に10編追加しました。

10/01「井戸に落雷」「天狗の漁猟」:昔の記事によれば、落雷の折りにたびたび雷獣が現れて(落ちて)そこらをうろうろし、捕えられたりしています。なかには食べられてしまったものもあります。天狗の場合、食べられという話は知りません。

10/11「柳川の河童」「河童遊行」:河童を食べたという話も見かけません。河童の話なんてあんなにたくさんあるのに…。まあ、まずそうだし、体質が変異しそうで食べたくないが…。

10/21「猿手の狸」:『本草項目』に載る「風狸」は、タヌキというよりヤマネコの類のよう。この「猿手の狸」もヤマネコをイメージしたほうがいいかも。
「蛇を狩る蟹」:世界最大のタカアシガニは、脚を伸ばした状態で4メートル近くありますが、この蟹は甲羅の幅だけで3メートル半ですから、すごい大きさです。ちなみに道の駅「丹後王国 食のみやこ」という所には、15メートルの大蟹がいるそうです。作り物だけど。

11/01「琉球葬礼」:土地土地で葬礼の仕方はさまざま。私の生まれた土地の葬礼を思い返しても、よその土地の人なら驚くようなことがありました。今はもうなくなっているでしょうがね。
「黒奴毒死」:出島の商館の召使の場合それほどまではなかったにしても、商船に乗り組まされた奴隷なら過酷な扱いも常態だったか…。

11/11「雲中の美女」:そもそも美女は何をしに出てきたんだ。
「酒飲みの根源」:越後の国主の残忍行為、よくある妊婦の腹裂き伝説みたいなものか。

ハルさま:
>変なドーパミンというか切断ハイというか、
「切断ハイ」、この言葉で一気に説明がついてしまいそうなところがなんとも…。
>泣き女…妙にシビアなところがいいですね。
「五合泣き」「一升泣き」なんて、どんな感じで泣くのか、興味深い。