たそがれ壺記

古典の森に棲み暮らし、奇談・怪談を語る偏人のブログです。

【あやしい古典文学の壺】05/01更新について

次の二編を追加しました。

「試し物」:往来で通行人を突然斬るのではないやり口で、サイコキラーの気持ち悪さが色濃い悪人なのに、怨念に憑かれるやあっけなく狂死したのは拍子抜けです。

「指が痒い」:痒い指を擦って手が杓子みたいになったというあたり、感覚的に堪えがたいところを突いてきます。怪しいものが出ると恐れられた「みよし長屋」ですが、その長屋に入ると指が痒くなる、といった怪談だったらもっと恐ろしい。

【あやしい古典文学の壺】04/21更新について

次の二編を追加しました。

「小奥」:江戸時代の公家の貧乏組は、どれくらいの俸禄だったのか。調べてみると「家禄三十俵三人扶持」なんてのがあり、堂上公家で一番少ないのがこのあたりじゃないかと思います。体裁のいい副収入があればいいんでしょうがね。まあ貧乏など気にせず、仲良く暮らしてほしいものです。

「大奥」:筆者が『甲子夜話』を書き起こしたのは文政四年(1821)、その百年以上前の正徳四年(1714)に、大奥を揺るがす一大スキャンダル「江島生島事件」が起こっています。連座して処罰された者千五百人との説もあるほどですから、「扱いが難しい。もし表沙汰になったら」と心配するのももっともです。しかし解決策(?)は、名案のような事なかれ主義のような…。

【あやしい古典文学の壺】04/11更新について

次の二編を追加しました。

「油瓶の怪」:恨みを晴らしに行くなら、なにも油瓶なんかに化けてひょこひょこ行かなくても、普通に飛ぶなり歩くなりすればよさそうなものだけど、それでは物の怪として物足りないのか…。

「阿衡の紛議」:これが平安政治史における一大事件だそうで、なんだかなあ。いろんな見方がある中で、藤原基経が言葉尻をとらえる形で仕掛けた政争というのが、私にはしっくりときます。

ハルさま:
>油瓶の怪:光景を想像すると、ちょっと可愛い。
器物の妖怪として「百鬼夜行(百器夜行)」にも加われそうですね。まあこの話の場合、人の恨みが器物の形をとっているので、ちょっと違うわけですが…。

【あやしい古典文学の壺】04/01更新について

次の二編を追加しました。

「いさぎ」:秩父あたりの憑物を調べたら、「秩父の三害」と呼ばれたらしい「ネブッチョウ・ナマダゴ・オサキ」という憑物の家筋が出てきました。「いさぎ」は、そのうちの「オサキ(=オサキ狐)」のことではないかと思われます。

「金龍の法」:怪女 桂の方の大暴れを、存分にお楽しみください。

ハルさま:
>このように法が出来上がっているという事は、これまでにかなりの数の人間が金龍に挑み、そのうちの誰かが成功したということ。…
どうでしょうか。金龍の法によって願いをかなえた者は、その代償として例外なく破滅するのだとも考えられますね。

【あやしい古典文学の壺】03/21更新について

次の二編を追加しました。

「鬼殿の怪」:いわゆる「地縛霊」というやつです。現在「鬼殿」という地名はありませんが、三条通東洞院通の交差点の北東、中京郵便局付近とのこと。

寄生虫男」:新任の信濃守が何か不都合なことをしでかしたわけでもないのに、在国の次官の意地悪で、あえなく溶けてしまった。まことに気の毒な話です。クルミは実際に虫下しの薬になるそうですが、平安の昔、すでに広く用いられていたとは驚き。

ハルさま:
>途中、もしやこの非人も狐なのでは?なんて思いながら…
おお、そこまでは考えなかった。私も狐に化かされる素質が十分ありますね。

【あやしい古典文学の壺】03/11更新について

次の二編を追加しました。

「焼き場の鬼」:火葬の火で焼いた餅を食べれば病が治る…、あやしい古典の世界ではよく聞くような説ですが、治る病はそんなことしなくても治るし、重い病はその程度では治るまいと思われます。しかし、芋の葉の面をかぶった病人にさほどの悲壮感が感じられないのはなぜだろう。

「鴨料理」:婆汁を作って爺さんに食わせる「カチカチ山」の狸の過激さに比べると、この話の狐はだいぶ穏健です。もっとも、獲物を横取りされただけの狐に対し、かの狸と爺は食うか食われるかの戦いだから、差があって当然か…。

ハルさま:
>きっと力は本物なのに性格が災いしてうるさがられる…
そういうことでしょう。いっぽう力が贋物のやつは、病気が治せなくても巧みに言いくるめて、好感度を高めたりするのかも。

女妖百物語

Amazon Kindle本として、電子ブック『怪の壺 女妖百物語』を出版しました。

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 女性にまつわる妖談百話を載せたもので、【あやしい古典文学の壺】からの編集ですが、書籍の体裁となり、文章にも手を入れたので、読みやすくなっていると思います。定価250円。Kindle本が読める環境があり、なおかつ気の向いた方は、こちらから買ってやってください。