たそがれ壺記

古典の森に棲み暮らし、奇談・怪談を語る偏人のブログです。

2021-01-01から1年間の記事一覧

【座敷浪人の壺蔵】12/21更新について

〔あやしい古典文学の壺〕に次の二編を追加しました。 「酔死」:いやはや、なんとも…。 「助っ人三平」:年末を飾るべく、ちょっと派手なのにしました。ストーリーは他愛ないものです。三平カッコイイ! なんて思っていただけたら、それでいいです。 今年の…

【座敷浪人の壺蔵】12/12更新について

〔あやしい古典文学の壺〕に、陰摩羅鬼の話を二つ追加しました。あやしい古典通算1700話近くに及んで、いまさらと思われるかもしれませんが、いろいろ肉付けして怪談の体裁の整った陰摩羅鬼の話もいいけど、こういう何のために出るのか定かでないような原形…

【座敷浪人の壺蔵】12/01更新について

〔あやしい古典文学の壺 〕に、次の二編を追加しました。 「娘と狼」:狼は口が大きくて顎が逞しいというイメージから、なんとなく納得できる話。絵心あれば描いてみたい場面です。 「虎の陰嚢」:これも絵に描いてみたい。なんなら「トムとジェリー」みたい…

【座敷浪人の壺蔵】11/21更新について

〔あやしい古典文学の壺〕に次の二編を追加しました。 「堀端の子供」「四谷の河童」:久しぶりに河童を二題。どちらも江戸の掘割に棲む都市型の河童です。江戸時代の妖怪ブームを形成する話の好例といえるかもしれません。私としては、田舎の山河や海浜に棲…

【座敷浪人の壺蔵】11/11更新について

〔あやしい古典文学の壺〕に次の二編を追加しました。 「心はさまざま」:「ごく小さい神様」とは、どんな神様なのか、とても関心を抱かせますね。「勢いよく出る大便」については、知りたくありません。 「位牌堂の怪」:髑髏が踊るのはそれなりに恐ろしい…

【座敷浪人の壺蔵】11/01更新について

〔あやしい古典文学の壺〕に次の二編を追加しました。 「医師の横死」:ずっと昔に、この話の詳しいやつを載せています。さらに興味があれば…、「堀田屋敷で狐狩り」(あやしい古典No.164)。 「猫狩り屋敷」:これも堀田家の屋敷での話。こちらは猫との戦い…

サイト引っ越し

このたび、【座敷浪人の壺蔵】は、下記URLに引っ越しました。 https://sanmoto.net 面倒なことはしたくなかったんですが、最近、WEBページを表示するたびにアドレスバーに「保護されていない通信」とか「この接続は安全ではありません」などと出るようになり…

【あやしい古典文学の壺】10/21更新について

次の二編を追加しました。 「甥天狗」:どうも天狗というのは、胡散臭さがぬぐえません。この話の天狗も、もっともらしいことを言っていますが、一筋縄ではいかない奴らだと思えます。 「先祖伝来の悪霊」:督姫は後々「毒饅頭事件」という噂が語られます。…

【あやしい古典文学の壺】10/11更新について

次の二編を追加しました。 「胸が裂ける」:飲んだ湯薬がみな裂け目から漏れてしまうというグロテスクな虚しさ…。身につまされます。 「影のわずらい」:離魂・ドッペルゲンガーなどと類似の現象で、只野真葛が『奥州ばなし』に書いた「影の病」と同病のよう…

【あやしい古典文学の壺】10/01更新について

次の二編を追加しました。 「火見番墜落」:若いころには意気がって危ない行動をしがちです。この番人もそうだったのか、あるいは考えあっての自死なのか。 「生首櫓」:死骸を奪い去る妖怪としては火車が代表的で、ほかにも死神坊主とか化け猫とかいろいろ…

【あやしい古典文学の壺】09/21更新について

次の二編を追加しました。 「松雲寺の小僧」:小僧は走水観音の上空で捨てられて以降、自力で日本橋まで辿り着いて住職に再会しますが、これも天狗(?)の誘導によるのではないかと考えられます。小僧の衣類を寺の裏山に捨てたり、いろんなことをするやつで…

【あやしい古典文学の壺】09/11更新について

次の二編を追加しました。 「うわばみの血」:「千疋狼」という類型の怪談の一つで、「鍛冶が嬶」とか「小池婆」などが知られますが、この話では狼が千頭出てくるわけではなく、うわばみ一匹です。そのうわばみが斬られたところから始まるのが、ユニークな気…

【あやしい古典文学】09/01更新について

次の二編を追加しました。 「果し合い」:こそこそ草履に足を延ばした隙に打ち込めなかったのか…。まあ意外な行動に虚を突かれて、チャンスを逃したのかも。 「竹内狂人」:強い。こういう場合、とにかく強ければいい。剣豪なんて、こんな人が案外多いのでは…

【あやしい古典文学】08/22更新について

次の二編を追加しました。 「山寺の夜」:妖怪じゃなくて、先に便所に入っていた人かもしれない。あんがい親切な人だったのでは…。 「妖怪の湯治」:便所の妖怪はいろいろです。中から戸を閉ざしいて開けられなくするなんてのは、迷惑だけど怖くはありません…

【あやしい古典文学】08/11更新について

次の二編を追加しました。 「幽霊の帰還」:四谷の墓地で心中したのが叔父たちでなければ、いったい何者だったのか。そのことを登場人物の誰も問題にしていないのが不思議です。 「俳諧師の終焉」:三我が十四日に棺桶屋に現れたとき、同道していた出家はい…

紙の本

この春に『女妖百物語』『妖異童話集』を電子ブックとして出しましたが、古い人間の私は、どうも物足りない気がして、ペーパーバック版を新たに刊行しました。電子ブックと一緒にAmazonで売っています。内容は電子ブックと同じで、値段は8倍ほどしますから…

【あやしい古典文学の壺】08/01更新について

次の二編を追加しました。 「龍に巻かれる」:オズの魔法使いの例を出すまでもなく、人や車、家などが竜巻に巻き上げられた逸話は幾らでもあります。この話のように行列中の侍と馬だけというピンポイントを突いた被災が実際にありうるのか分かりませんが、そ…

【あやしい古典文学の壺】07/21更新について

次の二編を追加しました。 「毛と煙」:富士山の宝永大噴火後に毛が降ったという記録は多く残されており、さまざまに考察されています。でも、あやしい古典文学としては、「おお、毛が降ったか。さぞ見ものだったろう」「黒煙が出たか、けむかったろうな」な…

【あやしい古典文学の壺】07/11更新について

次の二編を追加しました。 「貧乏神の祠」:貧乏神の像というと、ねずみ男に似たのをよく見かけますね。あれだったら何となく親近感がわいて、盗みたくなるかもしれない。しかしまあ、神体まで無くなるとは、貧乏の極みではあります。 「通う神」:道祖神は…

【あやしい古典文学の壺】07/01更新について

次の二編を追加しました。 「怪兎」:後足4本・前足2本、ケンタウルスのような体躯を想像しました。しかも両性具有、うかつに手を出すべきでないように思うが。 「異火」:蛍火のごとく集い、星空のごとく散り輝く火群。こんな火に包まれたら夢幻のうちに…

【あやしい古典文学の壺】06/21更新について

次の二編を追加しました。 「川の呼び声」:私が川漁をすることは今後ともないでしょうが、もしやるなら、時として川の怪異と直面するような漁をすべきだと思います。たとえば「キャッチ&リリース」とか、なんかしっくりきません。 「布団の中から大きな手…

【あやしい古典文学の壺】06/11更新について

次の二編を追加しました。 「死人を喰らう」:墓所で捨てられた死体の肉を切って食う場面を想像すると、いかにも鬼の所業みたいですが、古来、中国では(日本でも)漢方の生薬として、人体のさまざまな部位が用いられてきました。現代の移植医療なども、突き…

【あやしい古典文学の壺】06/01更新について

次の二編を追加しました。 「偽りの功名」:気絶した下僕の下敷きになって圧死とは、蜘蛛が弱すぎる。そんなやつが通りかかる者を片っ端から喰っていたとは、到底思えない。 「半蛇の内介」:「内介が淵」というのは、河内国の北部にかつて実在した淵だそう…

妖異童話集

Amazon Kindle本として、電子ブック『怪の壺 妖異童話集』を出版しました。 3月に出版した『怪の壺 女妖百物語』と同じく、【あやしい古典文学の壺】から選びました。書籍化するにあたり、あらためて推敲して、読みやすくしたつもりです。Kindle本が読める…

【あやしい古典文学の壺】05/20更新について

次の二編を追加しました。 「海蛇」:この件で調べて、ウミヘビには、爬虫類のウミヘビ(海中環境に適応した蛇)と、魚類のウミヘビ(鰻やアナゴの仲間)があることを初めて知りました。ウミヘビはすべて魚だと、ずっと思い込んでいました。で、この話のウミ…

【あやしい古典文学の壺】05/11更新について

次の二編を追加しました。 「武勇の人」:川村氏が振り回した魚「タツ」。今の秋田地方で「ダツ」というのがそれではないかと思われます。つまり太刀魚ですから、夜闇で見れば刀に見えるのは納得できますが、盗賊が怯まず向かってきたらどうするのでしょうか…

【あやしい古典文学の壺】05/01更新について

次の二編を追加しました。 「試し物」:往来で通行人を突然斬るのではないやり口で、サイコキラーの気持ち悪さが色濃い悪人なのに、怨念に憑かれるやあっけなく狂死したのは拍子抜けです。 「指が痒い」:痒い指を擦って手が杓子みたいになったというあたり…

【あやしい古典文学の壺】04/21更新について

次の二編を追加しました。 「小奥」:江戸時代の公家の貧乏組は、どれくらいの俸禄だったのか。調べてみると「家禄三十俵三人扶持」なんてのがあり、堂上公家で一番少ないのがこのあたりじゃないかと思います。体裁のいい副収入があればいいんでしょうがね。…

【あやしい古典文学の壺】04/11更新について

次の二編を追加しました。 「油瓶の怪」:恨みを晴らしに行くなら、なにも油瓶なんかに化けてひょこひょこ行かなくても、普通に飛ぶなり歩くなりすればよさそうなものだけど、それでは物の怪として物足りないのか…。 「阿衡の紛議」:これが平安政治史におけ…

【あやしい古典文学の壺】04/01更新について

次の二編を追加しました。 「いさぎ」:秩父あたりの憑物を調べたら、「秩父の三害」と呼ばれたらしい「ネブッチョウ・ナマダゴ・オサキ」という憑物の家筋が出てきました。「いさぎ」は、そのうちの「オサキ(=オサキ狐)」のことではないかと思われます。…