次の二編を追加しました。
「毛と煙」:富士山の宝永大噴火後に毛が降ったという記録は多く残されており、さまざまに考察されています。でも、あやしい古典文学としては、「おお、毛が降ったか。さぞ見ものだったろう」「黒煙が出たか、けむかったろうな」などと呑気に読めばいいような気もします。
「鷹の国」:鷹には渡りをする種も多く、この場合、黒潮の向こうから来るのでなく、北から越冬に来る鷹ではないかと思います。まあ、それはそれとして、江戸時代の「黒潮」へのイメージは、なんだか凄いですね。
ハルさま:
>単純に吉左衛門が仏心というか遊女たちに同情して、通う神をそこに置いたものと…
遊女が客に出す手紙なんて多くは営業用でしょうから、もしそういう「同情」によって通う神を勧請したとすれば、その時点でいくぶん精神の均衡を崩していたのかもしれません。それだと、座敷牢から出た後の行状も納得できるものがあります。