〔あやしい古典文学の壺〕に4編を追加しました。
09/21「火傷に小便」:〈虫刺されに小便〉などと同様、治療法が心許なかった時代には、こういうのが信じられるのは無理ありません。もっとも現代でも、飲尿健康法のたぐいが行われておりますが…。
「人を殺す亀」:亀は河童の原型とされるものの一つです。この話の亀が「肛門を破る」のも、尻子玉を奪う河童の行動に等しいですね。
10/01「耳の下の疵」「近江から来た生霊」:生霊二題。たとえば怨みを抱いて祟るといっても、死んだ後の死霊の祟りでは今さら感があるのに対して、生霊は現世で勝負なだけ達成感があるかも。それはおくとしても、現に生きている生身の人と離脱した遊魂との二重性は、怪異譚として味わい深いところです。