たそがれ壺記

古典の森に棲み暮らし、奇談・怪談を語る偏人のブログです。

9/1【あやしい古典文学の壺】更新について

以下の2編を追加しました。

誘う坊主」:坊主は天狗系の怪人でしょう。天狗が人を誘って(誑かして)あちこち連れ歩く話はよくあります。奇妙なのは、誘う相手はたいていいい年をしたオッサンかさえない少年なんかだということ。衆道的なものかもしれませんがね。天狗の野暮ったさ、いかがわしさを際立たせている気がします。

産婦の怪」:産婦にまつわる怪談・奇談は、かのウブメ(姑獲鳥・産女)をはじめとして多数あり、〔あやしい古典文学〕で幾つも取り上げてきました。産児が失せたというこの話もかつて載せたのと同類と見えるでしょうが、そうであっても、話それぞれに心奧に迫るところがあると思います。

ハルさま:
>現代でも、よく知っているはずの街の路地に迷い込んだ時とか、…連れていかれないように気を付けましょう。
この〔あやしい古典文学〕にも、そういう怪しいところへ人を誘い込みたいというくわだてが、いくぶん含まれているかもしれません。まあ文章の中の世界ですから、赦してくださいますように。