たそがれ壺記

古典の森に棲み暮らし、奇談・怪談を語る偏人のブログです。

【座敷浪人の壺蔵】5/01更新について

あやしい古典文学の壺〕に二編追加しました。

猫の子育て」:鼠の子を育て始めた母猫を、不気味だと言いながら追い出しもせず(興味深く)眺めていた松尾家に人々に、ちょっと共感を覚えてしまいます。

犬の疫病」:江戸中期には市中に野良犬が多数横行し、それとともに狂犬病が幾度も流行しました。「とはずがたり」が書かれたのは文政年間のようですから、そういう流行の一つでしょうね。

ハルさま:
モグラが大量発生して土中を掻きまわし、それを感じた犬たちが、…
ふだん犬がモグラを恐れるなんてことはない。モグラのほうが犬に襲われっぱなしの生き物なのですが、狂犬病で弱った犬社会に対し、いっせいに反撃に出たのかも。
>動物が異種の動物の子を養育するのは時々ニュースなどで見かけますが、…
この話の猫の場合、わが子を食い殺した上で鼠の子を育てていますから、何かはわからないけど、けっして微笑ましくはない信念にもとづいた、確信犯的な行動と思われます。