たそがれ壺記

古典の森に棲み暮らし、奇談・怪談を語る偏人のブログです。

【座敷浪人の壺蔵】8/01更新について

あやしい古典文学の壺〕に2編追加しました。
稲田姫を祭る祠」:この祠とは、茨城県笠間市の稲田神社のことだと思われます。ヤマタノオロチに食われる寸前だった少女時代の稲田姫を思うと、巨竜を鎮めるにはかなり頼りないのですが、櫛に変身してスサノオとともにオロチと戦ったことで、相応に強くなったのでしょう。
労咳の薬」:本文にある猿江の慈眼寺は、のちに巣鴨に移転して、今もそこにあります。比翼塚は浦里・時次郎の墓ということで、同寺の境内にあるようです。墓石が労咳の薬とされたわけは何でしょうか。心中の片割れが肺結核だったというわけでもなし、もしそうだったとしても、かえって薬にはならない。いつの時代も、根も葉もないことを言い出す人や、それを真に受けて言い広める人はいるもので…。