たそがれ壺記

古典の森に棲み暮らし、奇談・怪談を語る偏人のブログです。

【あやしい古典文学の壺】02/21日付の更新について

次の二編を追加しました。

「鼠が怖い」:日本に初めて象が渡来したのは、本文にあるように応永15年(1408)で、若狭の小浜に漂着した船に積まれていたとされます。室町時代、足利四代将軍義持のときです。その後象は、信長のころや秀吉のころにも来たらしくて、享保14年(ほんとは13年)のが二度目というわけではなさそう。それでも享保の象は、長旅をして京都で従四位の官位をもらったりしながら江戸まで行って、徳川吉宗に献上されたことから、もっとも有名です。十数年後、エサ代がかかりすぎるという理由で民間に払い下げられ、見世物になったあげく死んでしまいました。

「雷が怖い」:雷恐怖症というのがあります。じっさい雷は怖いんですが、世の中に怖いものはほかに色々あるわけで、ことさら雷を怖れるのは理解しがたいところです。とはいえ、そもそも恐怖は理解の埒外なのかも…。