たそがれ壺記

古典の森に棲み暮らし、奇談・怪談を語る偏人のブログです。

【座敷浪人の壺蔵】12/12更新について

あやしい古典文学の壺〕に、陰摩羅鬼の話を二つ追加しました。あやしい古典通算1700話近くに及んで、いまさらと思われるかもしれませんが、いろいろ肉付けして怪談の体裁の整った陰摩羅鬼の話もいいけど、こういう何のために出るのか定かでないような原形的な陰摩羅鬼もよかろうと…。

幽霊火」:安倍川渡し場あたりには実際に処刑場があって、刑死者を供養する臨終山正念寺という寺もあったとのことです。

屍の鳥」:安倍川河原の陰摩羅鬼は人型の火ですが、中国ではもっぱら鳥の形です。あやしい古典文学No.715「光物」では、陰摩羅鬼と思われる鳥状のものが射殺されて食べられています。

ハルさま:
>娘と狼:これは、こんな時に娘を使いに出した父親が責められるべき。
そういえば、赤ずきんのお母さんも、狼がホイホイ出てくるような森に、娘を使いに出していますなあ。

【座敷浪人の壺蔵】12/01更新について

あやしい古典文学の壺 〕に、次の二編を追加しました。

娘と狼」:狼は口が大きくて顎が逞しいというイメージから、なんとなく納得できる話。絵心あれば描いてみたい場面です。

虎の陰嚢」:これも絵に描いてみたい。なんなら「トムとジェリー」みたいな感じで。
虎「Ouch!!!!

【座敷浪人の壺蔵】11/21更新について

あやしい古典文学の壺〕に次の二編を追加しました。

堀端の子供」「四谷の河童」:久しぶりに河童を二題。どちらも江戸の掘割に棲む都市型の河童です。江戸時代の妖怪ブームを形成する話の好例といえるかもしれません。私としては、田舎の山河や海浜に棲む民俗的・土俗的な河童が好きなんですがね。

ハルさま:
>四谷の河童:その地域では住民として受け入れられてる河童。ちょっとほっこりしました。
こういう河童と地域社会の関係が登場するあたり、江戸の妖怪文化の余裕感なのでしょう。もちろん、「酷い扱いをしたら、祟られる」といった妖怪らしさも保たれています。

【座敷浪人の壺蔵】11/11更新について

あやしい古典文学の壺〕に次の二編を追加しました。

心はさまざま」:「ごく小さい神様」とは、どんな神様なのか、とても関心を抱かせますね。「勢いよく出る大便」については、知りたくありません。

位牌堂の怪」:髑髏が踊るのはそれなりに恐ろしいかもしれませんが、位牌が踊っても、べつに怖くもなんともないように思います。

ハルさま:
佐倉藩主の堀田家は、江戸時代の初期、佐倉惣五郎の怨霊に祟られたとされる大名です。江戸末期に至っても、狐やら猫やら相手に大活躍ですね。

まねき屋さま:
>その髑髏は立川流の髑髏本尊かな、と思いました。…
なるほどなあ。「黒まだらでいかにも由緒ありげな髑髏だった…」なんてありますし、そうかもしれませんね。ただの坊主にまつわる珍談と思っていましたが、ずいぶん深みのある話に読めてきます。

【座敷浪人の壺蔵】11/01更新について

あやしい古典文学の壺〕に次の二編を追加しました。

「医師の横死」:ずっと昔に、この話の詳しいやつを載せています。さらに興味があれば…、「堀田屋敷で狐狩り」(あやしい古典No.164)。

「猫狩り屋敷」:これも堀田家の屋敷での話。こちらは猫との戦い(というか一方的な掃討)です。猫はやっぱり夜闇に化けて出るとか物陰からの不意打ちといったゲリラ戦でないと、決定的に不利でしょうね。

ハルさま:
>政略結婚の道具として…生きるしかなかったこのころの女性…
忍従に甘んじていなかった人も少なからずあったと信じたいところですがね、どうなんでしょう。
>会うたびに山伏の数が増えている…
あっ、これは気づかなかったです。