たそがれ壺記

古典の森に棲み暮らし、奇談・怪談を語る偏人のブログです。

【座敷浪人の壺蔵】更新について

あやしい古典文学の壺〕に4編追加しました。

3/21「笛吹川の獺」:私は、水族館にいたりする獺の挙動には、なにか邪悪な雰囲気を感じます。妖獣の仲間にされるのも、気の毒ながら仕方がない気がしますね。ちなみに「海獺(ウミウソ)」はアシカの別名とされます。ラッコの漢字表記の一つにも「海獺」があります。
「野槌」:日本全国に見られるツチノコ伝説の一つ。目を見張るばかりの攻撃性がすてきだ。

4/01「瓢箪のまじない」:蚊だけでなく、ほかの害虫も寄せ付けないまじないがあるといいな。カメムシとか…。
鶴仙人」:乗っている鶴も矮小なのがいい。近所の屋敷の木の洞なんかに棲んでいそうだ。

ハルさま:
>「ツチノコはビール瓶くらいの大きさ」というイメージを持っています。が、このお話に当てはめると、もっと大きいのか?
二まわりくらい大きいですかね。いろいろあるようですよ。あやしい古典No.1164「たてがえし」だと、「胴回りは一メートル半以上…体長は二~二メートル半」ですから、おそろしく大きいです。

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〔あやしい古典文学の壺〕に6編追加しました。

2/21「竜巻」「頭蓋骨」:魚とか動物とかが空から降るのを「ファフロツキーズ現象」というんだそうです。世界各地でいろんなものが降った記録があります。それなりに説明がついている話もあって、例えばアイスキュロスは降ってきた亀が頭に当たって死んだそうですが、これは鷲が落としたのだとされています。

3/01「山神賭博」:神のくせに花札賭博ですか。もろ肌脱ぎで熱が入ってたりして…。何を賭けるのか、気になる。
「肉躍る夜」:仲間の鶏は、もっと早く鳴くべきだった。

3/11「蛇のいる山門」:専称寺いわき市に現存する由緒ある寺で、惣門は重要文化財に指定されています。
「隣家の老人」:〔あやしい古典〕には、昔語りをして飽きさせない年経た狸や貉がよく出てきます。そういう役どころが似合いますね。

ハルさま:
>蛇の抜けがら:石の塔とか、脱皮するのにちょうど良さそうだもんね
言われてみればそうだ。蛇が守り神とかではなくて、脱皮の都合だけかも知れない。
>スッポンの骨が出る:…食べ方を注意して終わっていますが、もっと別に言う事ありそうです。
うーん、「スッポンばっかり食うな」とか?

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〔あやしい古典文学の壺〕に6編追加しました。

1/21「処女懐胎」:本文でも触れられているように、類話はほかにもあるでしょう。艶笑譚として語られがちな内容で、そのぶん陳腐とも言えます。
「富山の奇子」:ろくでもない赤子ですね。

2/01「蛇の出る幟」:端午の節句の幟旗なら、武者幟でしょうか。そこに蛇という取り合わせは意味深な感じもしますが、とにかく竿が折れてしまっては具合が悪い。
「蛇の抜けがら」:五輪塔の石柱なんてのは、蛇が巻きついていそうな雰囲気があります。蛇の祟りが陰茎周辺に及ぶのは、やむをえないかも。

2/11「スッポンの骨が出る」:スッポンなんて、何度も食べたことがあるわけじゃないけど、旨いとは思わないなあ。まして骨を食うなんて…、この薩摩の侍に同情はわかない。
「菊次郎の奇病」:菊次郎は悪いやつではなさそうだし、花町さんは優しいし、ほかの登場人物もいい人っぽい。そのぶん、奇病の救いのなさが切ないです。

ハルさま:
>富山の奇子…その後、どう成長したんだろう。
「二十歳過ぎればただの人」的に、凡庸な人になったかもしれませんよ。

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あやしい古典文学の壺〕に4編追加しました。

1/02「瘤の人」「坊主になるな、魚喰え」:正月らしく、めでたい気分になれるかもしれないのを選んで載せました。

1/11「男の首」:流言やデマが世相を覆うのはいつの時代も変わらず、むしろ今のほうがたちが悪いとさえいえます。この話について言うと、展開が型どおり出来上がりすぎているので、空言に人々が振り回されたという話そのものが空言だったのではないでしょうか。
「男を喰う女」:逃げ出さなかった男たちに、献杯を捧げたい。

ハルさま:
>鬼女紅葉と鬼切の刀の話は、ちょっと検索しただけでも様々なバリエーションがあって面白い…
惟茂と金剛山の関係ですが、惟茂は鬼女紅葉を討ち取ったあと、信州上田の「金剛山霊泉禅寺」の温泉で体を癒したとの言い伝えがあるようです。また、信州別所温泉の「金剛山常楽寺」近くにある古墳は「将軍塚」とか「惟茂塚」とか呼ばれるているらしい。これらの寺名の「金剛山」を河内の金剛山と混同したか、わざと置き換えたかして、紅葉伝説の一バリエーションから派生した新たな話が出来上がったように思われます。