たそがれ壺記

古典の森に棲み暮らし、奇談・怪談を語る偏人のブログです。

【座敷浪人の壺蔵】更新について

〔あやしい古典文学の壺〕に10編追加しました。

10/01「井戸に落雷」「天狗の漁猟」:昔の記事によれば、落雷の折りにたびたび雷獣が現れて(落ちて)そこらをうろうろし、捕えられたりしています。なかには食べられてしまったものもあります。天狗の場合、食べられという話は知りません。

10/11「柳川の河童」「河童遊行」:河童を食べたという話も見かけません。河童の話なんてあんなにたくさんあるのに…。まあ、まずそうだし、体質が変異しそうで食べたくないが…。

10/21「猿手の狸」:『本草項目』に載る「風狸」は、タヌキというよりヤマネコの類のよう。この「猿手の狸」もヤマネコをイメージしたほうがいいかも。
「蛇を狩る蟹」:世界最大のタカアシガニは、脚を伸ばした状態で4メートル近くありますが、この蟹は甲羅の幅だけで3メートル半ですから、すごい大きさです。ちなみに道の駅「丹後王国 食のみやこ」という所には、15メートルの大蟹がいるそうです。作り物だけど。

11/01「琉球葬礼」:土地土地で葬礼の仕方はさまざま。私の生まれた土地の葬礼を思い返しても、よその土地の人なら驚くようなことがありました。今はもうなくなっているでしょうがね。
「黒奴毒死」:出島の商館の召使の場合それほどまではなかったにしても、商船に乗り組まされた奴隷なら過酷な扱いも常態だったか…。

11/11「雲中の美女」:そもそも美女は何をしに出てきたんだ。
「酒飲みの根源」:越後の国主の残忍行為、よくある妊婦の腹裂き伝説みたいなものか。

ハルさま:
>変なドーパミンというか切断ハイというか、
「切断ハイ」、この言葉で一気に説明がついてしまいそうなところがなんとも…。
>泣き女…妙にシビアなところがいいですね。
「五合泣き」「一升泣き」なんて、どんな感じで泣くのか、興味深い。

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〔あやしい古典文学の壺〕に8編追加しました。

8/21「オサキ狐」「くだという怪獣」:キツネ系憑き物2種。オサキ狐のようなやつが、普通の犬猫と同様に繁殖してそこらを徘徊したら、たしかに困りものですね。

9/01「大物の運搬」:あやしい大物の運搬、どこへ? 何のために? なんだか胸がときめきます。
「朽木のような塊」:つねさんの塊は、結局埋葬されなかったのだろうか。気になる。

9/11「出羽国毒虫の説」:川は雄物川で、毒虫はツツガムシだと思われます。昔はずいぶん恐れられた虫です。今も危険な毒虫ですが、早期に治療すれば回復は早いそうです。
「三面村」:当時から秘境で知られた村のようで、『中陵漫録』にも記事があります。本文から分かるようにマタギ集落としても名高かったのですが、もとの集落はダム建設で水没し、住民は集団移転しました。

9/21「尻突き」:『半七捕物帳』に出てくる尻突きの話も、この事件をもとにしています。実際、江戸時代の夜の闇で、変に夜目のきくやつに狙われたらどうしようもない。
「みずから陰茎を切る」:やることなすこと感覚的に受け入れがたい。なにより痛そうだ。

ハルさま:
出羽国毒虫の説:怖いですね。…ツツガムシ病という、…
その怖さ、よく分かります。私が子供のころの日本には、風土病という名でくくられる病気が各地にあって、ツツガムシ病もその一つですが、私が一番怖かったのはジストマです。いまでも名を聞くだけでゾクッとするほどです。

【座敷浪人の壺蔵】更新について

〔あやしい古典文学の壺〕に10編追加しました。

7/01「大人足跡・小人足跡」:大きい足跡を「たんたん法師の足跡」と呼ぶのは「ダイダラボッチの足跡」と同義でしょうが、小さいほうの「でらでら法師…」もダイダラボッチと思われ、こうなるとよく分かりません。
「異怪の女」:末尾「世間に立ち交っている異怪の女もある。珍しくはない」。なかなかに納得させる言葉です。

7/11「獣鳥」:でかくて異形、毒性も強い。でも鉄砲十挺で倒されるとは、意外に脆い。
「ざつくわ」:愛執は深いが戦闘力が足りない。もっとがんばれ、坊主に負けるな。

7/21「蓮ノ葉の奇事」:蓮の葉を干して、お茶にして飲むのか。知りませんでした。
甲斐国七奇異」:猫の声で鳴く鼠…、この発想はなかった。

8/01「飛び物」:あぶないなあ。
「海の不思議」:海洋冒険譚には、何にもまして心躍らせるものがあります。

8/11「鼠塚」:場所は、今の大阪府枚方市内の藤阪でしょうね。鼠たちは非業の死を遂げた誰かの塚を守護していたのかも。枚方市内には「阿弖流為首塚」なんてのもありますし…。
「草庵の大鼠」:いろんなアクションをして挑発する大鼠。考えようで、某テーマパークのキャラクターみたいです。僧が激怒したのは、米を食われたからでしょう。食い物の恨みは深い。

ハルさま:
>獣鳥 :こんなに大きいのに、普段はどこにいたのでしょう?
地味な小鳥だったのが、突然巨大化し、獣鳥自身困惑していたのかもしれません。
>蓮ノ葉の奇事:…なんとなく縁起が良さそう。
鶴が舞ったりして、いかにもな雰囲気。でもそれだけで何事もなかったら拍子抜けですね。

mitaさま:
>寛平ちゃんの「かい~の」ですね。
そんな感じです。こっちもムズムズ痒くなる。

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〔あやしい古典文学の壺〕に8編追加しました。

5/21「泣き叫ぶ老人」:見苦しい、黙ってろ、とも思わせる姿ですが、これも次の「臨終の言動」と同様に病勢のなせるわざかもしれません。
「臨終の言動」:まったく「僧の言は愚か」です。冷静な洞察をもって物事を見ないといけないと、自分にも言い聞かせたいですね。

6/01「蛇体となった女」:普通は水に飛び込んで終わりのところ、また上がってきたのが面白いと…、まあそれだけなんです…。
「胡瓜堂」:下世話な猥談じみたきっかけから大ごとに持ち込む展開が、無理やりで面白いと…、これもそれだけのような…。

6/11「飛地蔵」:石地蔵が文字通り飛んだら危険ですが、運んでもらうぶんにはのどかでけっこうな話だと思います。
「火事熊」:弘化二年の「青山火事」で熊が出たという話は、岡本綺堂『半七捕物帖』の「熊の死骸」でも用いられています。

6/21「鯉を掘り出す」:あやしい古典文学では通常こういう鯉も食べてしまうのですが、ここは無難に放してやっています。
「化獣の衣服」:ほどよい化け物ぶりがよいですね。後に思うに衣服が分明でないあたりに、人がほどよく化かされているのもわかって、よい雰囲気です。

ハルさま:
>蛇体となった女:そういえば、「蛇体になった男」というの、…
まれにはあるんです。でも、あんまりかっこよくないです。
>火事熊:…
関係ないですが、富士宮に二度ほど行ったことがあって、JRの駅前に「鍛冶熊」という鍛冶屋さんがあったのを覚えています。そのせいでこの表題にしたのかも。

【座敷浪人の壺蔵】更新について

〔あやしい古典文学の壺〕に8編追加しました。

04/11「毛の生えた熱いもの」:産まれたものの異様さが目を引きますが、その後生きたのか死んだのか、どうなったのだろう。
「水を吸うもの」:いかにも奇妙なもので、イメージするのがひと苦労です。「鑓到火」という道具はどういうものか、調べてみましたが、今のところわかりません。

04/21「笑う死人」:いわゆる「走屍」の一形態でしょうか。箒でどつくといいらしいが。
「焼け死んだ男」:人生いつどこで迷い道に踏み込むか、わかりませんねえ。

05/01「鰯のぬた」:死んだ人の霊が別れの挨拶に来たのでしょう。食事が「鰯のぬた」というのが、不思議な味わいを醸し出します。
「狐に憑かれて大暴れ」:元気だなあ。

05/11「赤坂の蜘蛛の巣」:蜘蛛の巣だらけの山中で、大きな蜘蛛の巣にかかったことがあります。情けなかった。あれが暗闇ならと思うと、恐ろしい。
「蝙蝠の怪」:蝙蝠は普通にしていても怪物っぽいですから、火見櫓を覆うほど巨大ならまさに怪物です。

ハルさま:
>水を吸うもの:火攻めの際に使うもの…?火の中に置くと、逆に水を噴き出すとか?
これ、よく分からないですよね。火攻めの際に、水を吸って消火を妨害する道具かと思いましたが…。
>狐に憑かれて大暴れ:暴れ方が狐というより猿のよう。
たしかに。こんな人騒がせな猿が、ときどき町中に出てきますね。